私の中の眠れるワタシ
赤い華
部屋につくなり、ワタシはラグの上に転がる。
足がもつれて力が入らない。上から吊られていた糸を切られたような、妙な脱力感。
ガクンとした衝撃は一瞬で、床に頭を強く打ってしまったけど、痛みは感じなかった。
しばらくそのまま、何にも考えられない。
先生の事、好きだったっけ?
そこから忘れたい。
今日一日を忘れるだけでは足りない。
ワタシの事、本当に大切に思ってくれていたんだ。
こんな秘密、聞かされる生徒なんて、絶対どこにもいないもの。
先生の、一番の『秘密』。
それが、美月だったんですね。
一緒に秘密を作る側と、それを打ち明けられる側には、こんなにも差が生まれる。
それを、美月は知っていたかな。
ここから、ワタシはどのような教訓を得たらよいのだろう。
どこから間違えていたのか。