私の中の眠れるワタシ
−−先生。
自習ノートの事で、先生が苦しんだあの時。
ワタシは初めて、自分に得のない事に、味方した。
あれから先生は、ずっと信頼してくれてた。
誰よりも、信用してくれた。
−−美月。
ワタシは憧れていた、もう一つの自分の学校生活を過ごす美月から、何かを得たかった。
わかったのは、捧げるだけでは足りなくて、受けとる事。
そして、信じられる強さが、恋を実らせるという事。
−−噂。
サナミから聞いた。あの日ワタシは美月に会った。噂の真相を確かめようと行ったけど、彼氏はいないと言ったはずだ。
疑いつつも、それを信じたかった。
それ以上確かめたくなかった。
だから、そのままにしてた。
−−サナミ。
普通の人が普通に恋をしているという事。限られた、特別な人間だけが、幸せになる権利があるわけじゃなかった。
どんなにいつも近くにいてもわからない、恋人達だけの秘密がある。