私の中の眠れるワタシ
ワタシは、それを見つけて、手を止める。
美月は、その格好のまま、呆然とする。
ワタシは、馬乗りの姿勢で、美月を見下ろした。
長い、沈黙。
庭の木が、風に吹かれて枯れた木の葉をざわめかせては、葉を落としていた。
「キレイ、でしょ。」
そう。本当に綺麗だった。
真っ白な肌の、柔らかそうな谷間の、ふもとに。
美しく、一輪だけ咲く、赤い華の入れ墨みたいだった。
ワタシは、美月に押し飛ばされるまま、ベットの下に、転がり落ちた。
風に吹かれて落ちた葉は、『木の葉だった』とは呼ばれない。
−−もうそれは、落ち葉なのだから。