私の中の眠れるワタシ
その夜。テーブルの上に手紙が置かれた。
「ねーちゃん、悩んでいるんだ。母さん聞いてあげてくれよ。」
真也は自分なりに、ワタシを助けようと考えて、母に打ち明けるべきだと判断した。
−−お母さん、助けてくれるの……?
一瞬でも、母に甘えそうになった自分が愚かだと、すぐに思い知らされる。
手紙に目を通した母は、これを家族以外の誰かが見たのか、ひどくこだわった。
「誰も見てないと思うよ。俺ずっと持ってたし。」
「……だったら、書き直して渡してるね、コイツなら。」
母はすでに、そう決め付けていた。
「ワタシ、書いてない!渡してない!」
「でもおまえ、これ一度は渡すつもりで書いたんだろ?」
ワタシは俯いた。
「家族の恥をさらしやがって!!なにが、助けて下さい、だ!!ふざけるな!!」
次の瞬間には、壁に強く身体を打ち付けていた。
頬がジンジンする。殴られたみたいだ。
一瞬の事で、わからなかった。