私の中の眠れるワタシ
「おまえ、気持ち悪いな……。子供のフリして、頭の中はスケベな事で、いっぱいなんだろ!
だいたい、早いんだよ。
おまえみたいなブス、ヤラレて、捨てられて終わりなんだよ!」
「違う、ワタシ、なんにもしてないし、先生とも、なにもなくて!!」
「うるせぇ。おまえの言うことなんて、信じられるか?この、ドスケベ。おまえのそのスケベなところは、誰に似たんだ?
あ?おまえの父親ソックリなんだよ!!」
ワタシに、というより。
母は、長年蓄積されている父への怨みで、頭がいっぱいになっているようだった。
ワタシは、罰を受けた。自分の行いと、そして。
父の血に対して。
−−母は昔、こんな風ではなかった。
家族想いで、いつも子供の事で悩んだり喜んだり……
運動会でも、毎回朝から早起きして、応援にくる親戚全員分のお弁当を大きな弁当箱に、いくつも作った。
躾はたしかに、厳しかった。体罰は、あった。
だけど、その後に必ず許してくれた。
泣き止まない私に、ココアをいれて、
「もうわかったら飲みなさい。」
と言って、許してくれた。