私の中の眠れるワタシ
どんなに殴られても、骨が折れたりする事はなかった。
母は、極端に誰かに家庭の事を詮索される事を嫌っていたので、病院沙汰だけは、避けていた。
ただ、罰が長時間に及ぶと手が痛くなってきたと言って、道具を使った。
掃除機の、棒の部分やハンガーなど。
ハンガーは、針金のものが痛かった。
ぴしっと肌に、赤い線が残る。
あたり方が悪いと痣になり、肌の表面を掠めても、ヒリヒリと擦りむけたような傷が残る。
髪を伸ばすと、引っ張って引きずりまわされるので、いつも私は短くカットしていた。
次第に部活もみんな、カットにしだすようになり、私だけ珍しいわけではなくなったが、きっかけや理由は、全くみんなとは違う。
顔には、大きなケガをした事はなかったが、身体はいつも傷だらけだった。
一度、部活のみんなで銭湯に行こうという事になり。
私はとにかく、断った。
生理だとか、道具がないとか……
でも、ホントはすごく行きたかった。
もう、誘われる事はないのだけど。