私の中の眠れるワタシ

学校を出て、駐車場の方に向かって歩く。

駐車場を抜けると、学校の裏手には雑草がのびた空き地があった。

スペースは小さかったが、学校のどの窓からも全く見えない。
授業中ここを通りかかる人もいない。
学校の外からも、高い塀で見えない。


誰か来るとすれば、用務員が草刈りに来るくらいか。

校内に、こんな死角を作ってある事に感謝する。


私はこの場所を入学してからすぐに知っていた。

ここを使ったのは、家を出ていけと追い出されて、行くところがなく、ふらふらと学校の周りを徘徊していて見つけたのが最初で、授業中に来た事はなかった。


今日はまだ、たっぷり時間がある。
草の布団で、横になる。


頬に、土がつく。
草が生い茂っているように見えても、顔を近づけると、スカスカなのが、わかる。

虫もいた。
ワタシは虫は怖くない。むしろ、生きてるんだなぁと、励まされる。

仲間ニ、イレテ。

心の中で呟いて、倒れ込む。



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