私の中の眠れるワタシ

虫は、人に踏み潰される事を、怖れているかもしれない。

でも、人が人の心を踏み潰す事もある。

踏んだり、踏まれたり。

そうしてるうちに、踏み潰す事をなんとも思わなくなっていく。


今度は、ワタシが、踏み潰す番だ。


−−ワタシが、この身体の痛みと引き換えに、罰を受け罪を償うように。

あなた達が次は、罰を受け罪を償うの……。


ワタシは、制裁を与える側に立つ興奮を、この時初めて感じた。

放課後の使い道は、決まった。


あの無神経な相田と、アバズレの美月。



……不潔だ。有り得ない。このままで二人が幸せに、ワタシの不幸を知らずに過ごしていくなんて、許さない。

絶対に、許さない。





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