私の中の眠れるワタシ

「今日放課後、理科準備室に来い。」

他の生徒の手前、説教をするような口調でそう言ったが、単純にワタシに何が起こったか、気にかけているだけなのは、すぐに解る。

「はい。わかりました……。」

ワタシも落ち込んだように返すが、これは予想通りの展開だ。


いよいよだ。ワタシの復讐が始まる……。


放課後が待ち遠しい。
こんなに給食がおいしかったのも、久しぶりだ。


ワタシはその日一日、おとなしく過ごした。

誰かと話したら、ウキウキとした表情で話してしまいそうだ。

誰かに、こんな楽しみを分けてたまるものか。

ワタシは、独占したいのだ。自分だけに特別与えられたこの権利を、心ゆくまで享受したい。


放課後は、もうすぐだ。




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