私の中の眠れるワタシ
あくまで、否定しない。むしろ、常識かのように、話してみせる。
担任は、ますます怒り狂い、デスクを叩いた。
その音の強さに、意外にも驚くワタシは、まだ子供だな、と思いおかしくなった。
「今日はもう、帰れ。
大丈夫。おまえは何も悪くない。
傷ついたな。いいか。そんな大人ばかりじゃないぞ。
あいつは、ガキだ。
先生の立場を利用した、ガキだ。
話してくれて、ありがとうな。
辛かっただろうけど、もう気にするなよ。」
そういうと、手元のバインダーを開き、なにやら書きとめだした。
そっと手元を覗くと、今の話をまとめているようだった。
ワタシは、それをこっそり覗いて見届けたら、
「先生。こんな話して、ごめんなさい。だけど、先生でよかった。
ワタシ、先生の事信じてますから。
どうか、美月と先生が、別れなくても済むようにしてあげて下さい……。」
それだけを言って、理科準備室を出た。