私の中の眠れるワタシ

その翌日から。


先生の姿をしばらく見ることはなかった。

担任に聞いても、他校に出張し英語の授業の研究に行っていると言う。

そんなもの、突然あるのか。

ワタシは考えない事にする。



しかし、数日経って、ウワサが流れ出す。

−−「相田先生、生徒と付き合ってたらしいよ。」

『うそー!マジでぇ!?』

「それで、この前、職員会議になったって。」

『相手は?』

「四組の、高田さんらしいよ……」

『え〜!あんな目立たない子と??』

「高田さん、ある日授業中に突然泣き出して、クラスを飛び出したっきり、学校来ないってさ。」

『コワ〜イ!大人しい人ほど、何考えてるか、わかんないね!!』




飛び交う噂に、鳥肌が立つ。
ワタシの交換日記にも、その話題はのぼる。


担任は時々、ワタシにその後の事を教えてくれた。

「相田は、父兄から下校時に何度か、生徒を車で送っているところを目撃されていて、校長に直接抗議の電話が入り、事態が明るみにでた。
だから、どのみち、お前が打ち明けてくれなくても、いずれは知れる事になったんだ。」

そう言っていた。



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