私の中の眠れるワタシ
下校時に、送ってもらっていたのは、ワタシもだ。
だとすれば、ワタシも悪いはずだが。
そんな事は、全く触れずに、
「相田は、おそらく、異動か……。退職だろうな。」
と、担任は残念そうに、だけど正義感を持って話してくれた。
美月は、どうしているのだろう……
もう、二度と学校で美月の姿を見ることはなかった。
卒業式にも、現れなかった。
「卒業したら、どうするの。」
「私、結婚したいの。」
「結婚?いいね、それ。」
−そう、いいのよ、それ。
あの日彼女は、そう言って微笑んだ。
彼女は『それ』を、するのだろうか。