私の中の眠れるワタシ

「ざまぁみろ!ハハハ、ハハハハハハ…!!」

その日は、それだけで済んだ。

だけ、と言うには、私にとってダメージは大きかった。

一気に酔いも醒めて、慌てて自分の部屋で合わせ鏡をして、後頭部を見た。


ヒドイ……

髪は、バラバラになっていた。

地肌が禿げて見えるようで、何度も見直した。

明日は、学校どころでは、ない。
さめざめと泣くような気持ちにも、ならない。

翌日すぐに美容院へ急ごう。
そう決心したら、すぐに眠り込む。



「三歳のいとこが遊びに来てて……ふざけて私が寝てる間にやってしまったんです。」

ごまかせただろうか。
この言い訳は、美容院に着くまでの間中考えたものだったが。

「はぁ、そうなんですか。ハサミ、持ち出すんですね……三歳で……。」

明らかに、訝しげだ。


どうでもいい。信じても信じなくてもいい。

早くなんとかして欲しかった。


「かなり根本から切られてるのでね。正直、隠しきれるかわかりません。
結構全体的に短くして……ちょっとボリュームだすような感じにしますか。」

「なんでもいいです。とにかくお願いします。」


私は、鏡の中のワタシを呆然と見る。


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