私の中の眠れるワタシ

誘惑の運命




二人で二時間も飲み続けたら、それなりに酔ってきた。

「おいおい、吐かないでくれよ〜?」

「大丈夫、だいじょぶ、ダイジョウブ、今ちょっとキモチイイ感じなの〜!」

三宅ちゃんは、次の缶のプルタブをひいた。

私も……と、手を伸ばす。

「お前はもう、やめとけって。」

「イイの〜!明日なんて、来ないんだからぁ〜!」

「いやいや、きますから。とにかく、布団ひくから。ちょっとそこで、おとなしくしててくれよ。」

テーブルを隅に寄せ、押し入れの中の客人用布団を出し始めた。

こんな楽しい夜が終わっちゃうなんて。

私がもう少し、飲めたら……

自分で自分につまらなくなってしまう。


「ねえねえ、三宅ちゃんはさ〜、好きな子とか、いるの〜??」

「好きっていうのとは違うかもしれないけど……
いいなって子は、いるよ。」

「なにそれ。だれさ。」

酔うと私はこのテの話が好きだった。

「誰でもいいだろ〜!それより、寝ろよ。」

「ダメだよ。トークタイムだよ。」




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