私の中の眠れるワタシ

「今日の、あれ。気にするなよ?蜜まで聞こえてたんだろ?」

私が家に着いてからも、何も言わずテレビばかり観ていたので、機嫌が良くないと思ったらしい。

「ああ、あれね。気にしてないよ。」

「オレは、蜜の頑張り、みてるぜ!いっつも見てる!!」

「や、やめてよ。あんまり見てたら、バレるでしょ?」

私は、照れる以上に、バレる事に怯えた。



「その事なんだけどさ。
……オレ達、うまくいってるし、そろそろ部活も夏だから、皆に言ってもいいんじゃないかなって。」

夏になる頃には、一年生も絞られてきて、本当にダンスが好きになってきた子達だけが部に残り始める。

正式な部員として認めた事になる一つの儀式として、『先輩達が誰と付き合っているのか、夏の合宿で暴露する』というのが、毎年の恒例行事だった。

どうやら彼は、その夏の合宿で、私達の関係も皆にお披露目し、上級生共々、驚かせてやろうと、そう思って胸をときめかせたらしい。




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