私の中の眠れるワタシ
「え、それはダメだよ!」
私は少しきつく言ってしまう。
「どうして?せめて、同学年の奴だけでも……」
「ダメだったら!!付き合う時、約束したでしょ?誰にも言わないって!」
予想以上の剣幕に、三宅ちゃんは怯む。
「約束したけどさ、どうしてそんなに嫌がるんだよ?」
どうしてって……。そんな事言えるわけない。
「だって、三宅ちゃんに憧れてる後輩とかいるし、可哀相でしょ?」
「オレのほうが、可哀相だよ!後輩がコクってきても、蜜は平気なの?」
平気だから、困る。
だから、そんなに好きになってくれなくて、よかったのに……
「そのうち、私から話すから。もう少し内緒にしてて?お願い。」
口調をかえ、甘えたようにせがむ私に、
「蜜がそういうなら……。オレこそ、ごめん。後輩の事まで考えてあげてたなんて、しらなかった。さすが、蜜だね。
でも、オレ、そんなに、モテないよ?」
実際、そんな事はなかった。彼は、人懐っこいキャラクターと、後輩を可愛がる性格から、モテてた。
私は、
「ねえ、三宅ちゃん。
私はみんなに好かれる三宅ちゃんのイイトコも、無くしてほしくないなぁって、思ってるんだからね。」
そういうのが、精一杯だった。