私の中の眠れるワタシ
今日も、最後まで練習場に残ったのは、私達だった。
ダンスがまとまるにつれて、コミュニケーションが増えて、楽しい会話も増えていく。
「蜜、今日、二人で飲みに行かないか?」
ソウタが飲みに誘ってくるなんて、初めてだ。
こんな、またとないチャンスを逃すはずはない。
「ソウタ、飲めるの?あんまり強くないじゃない。」
からかうようにそう言うと、
「おい、なめんなよな、普段は弱いフリをして、無駄な体力を使わないようにしているだけだぜ?」
と、ミエをはった。
「あっそう。ま、いいや。じゃ、行こ。」
楽しみにしている事がばれないように、そっけなく言う。
私達は、なんとなく帰り道が同じように振る舞って、駅を目指す。
気になるのは、イチヤだが……。
今日はツイてる。後輩に声をかけて飲み会を開こうとしていた。
その飲み会に、合流させられてしまわないように、私達は歩みを遅くした。