私の中の眠れるワタシ
ソウタはイチヤと、全く違った。
ホテルに着いて、お風呂にお湯を溜めている時にはもう、後ろから抱きすくめられた。
「ち、ちょっと!お風呂入ってからにしてよ。」
振りほどこうとしたが、余計に力を込め、
「照れてんの?意外にかわいいところ、あるんだな。……いいから、黙ってろよ。」
勝手にどんどん脱がせた。
この傲慢さに、ア然とするが、考えてみれば踊り方にも近いものがあった。
「ね、ね、待って。」
「待たない。」
主導権を握りたがる。
湯舟に手をついた姿勢のまま、動くなと命令される。
逃げようにも、逃げられない。
ワタシはもう、湯舟のお湯より先に掻き混ぜられていて、足に力が入らなかった。
「お前、何人くらいとしたの?」
「そんなの、どうでもいいじゃない。」
「いいから、言えよ。」
肩に強く噛み付く。
「……い、痛いよ。」
言うまで、止めないつもりらしい。