私の中の眠れるワタシ
捧げているのは、彼ら。
でもワタシは何も渡していない。
彼らはワタシから、何も受け取る事ができないから、こうして傷を増やしていく。
−−身体だけじゃ、ダメなの。
ホントにそうだったね、美月。
中学生だったアナタが、あの時すでに、こんな事にもう気付いていたなんて。
やっぱり美月は、すごいな……
ワタシはぼんやり鏡を見ながら、一人練習をしていた。
背中に、彼らの視線が刺さるように向けられながら。
練習が終わると、ソウタが近付いてきた。
「蜜、今日、時間ない?」
「うん、あんまりない。」
私は目を合わせないように答えた。
それでもソウタは、
「じゃ、ちょっとでいいんだ。付き合えよ。」
と言って、私の腕を引っ張った。