私の中の眠れるワタシ
先生は指名した以上、何かの時には部長の意見を大きく取り上げる事が多かった。
今日も、前半の練習メニューから、後半の練習試合のペア決めまで、私に任せてくれる事は予想がついていた。
授業中もずっとそのことばかり考えていた。
中学二年生の私にとって、部活を動かしているんだというプレッシャーと誇りは、大きな優越感を与えていた。
今日も。
私がテニスコートの鍵を職員室で受け取り、先生に目を通してもらったメニューとペアで、滞りなく練習を進める事を、誰もが待っているに違いない。
腕に筋力がついて、ラケットが軽くなっていくように、この自信が、私のフットワークを確実に軽くしていた。
−−階段を降りる。
すれ違う先生には、大袈裟なくらい元気な挨拶。