私の中の眠れるワタシ
その痣を避けるように、ソウタはワタシの身体に新しくシミを重ねていく。
「いたいよ……。ね、やめて。」
優しく、さとすように言っても。
彼にその言葉は届かなかった。
ついには。今まで一度もつけられないようにしてきた、首筋に強く吸い付いた。
「俺、明日からお前と付き合っている事、皆に言うから。
お前はすぐに、アイツの家をでろ。
明日から住むのは、オレの家だ。」
「ちょっと!冗談じゃないよ!そんな事皆にいいふらしたら、ワタシ達、カップル組めなくなるじゃない!」
ワタシは、冷静に頭が働き、彼の思いもよらぬ返答をしてしまったようだ。
「お前、俺の事、なんだと思ってるんだよ……」
完全に彼は狂ってしまった。
動物のように、ひたすらワタシを貫いた。
ワタシは、そうされながらなぜかイチヤを思い出した。
−−ケーキには毎月、一本ずつロウソクを増やしていくんだ。
一年経ったら、十二本。
十二本分の炎、見ることはなくなってしまったな。
……明日で、半分だったのに。