私の中の眠れるワタシ
結局、中学生時代についた、
「好きでした。」
の嘘に、今でも私は苛まれてのかもしれない。
相手に夢中な間に、好きと言う。
これ自体が、どうしてそんなに難しい事なのか。
それ以前に、なんの得もない相手に夢中になる事が、できない。
私が今、夢中になれるのは、住み良い環境を見つける事と、ダンスで勝つ事、おいしい酒が飲める事くらいか……。
そんな事を思っていると、夢中になれる事柄リストにある、『ダンスで勝つ事』に積極的に貢献してくれる、セツナさんの踊りが目に飛び込んでくる。
−−セツナさん。
悲しくて、切ない表情をしていた。
今流れている洋楽は、男性の心変わりに気付いてそっと自分から別れを選ぶ、失恋の曲だったが、セツナさんはパートナーと一体何があったのか?と思わせるほど、悲しみに満ちていた。
指先までも、相手を捜して惑う苦しみが滲む。