私の中の眠れるワタシ
片思い
−−私は、『恋』に落ちた。
初めは、まさかと思ったが。
でも、これを恋と言わずなんと言うのだろう。
セツナさんの事が知りたい。知りたくてたまらないし、気になってたまらない。
ソウタは、毎日一緒にいて交遊関係も熟知し、私と片時も離れる事がないのに、私が心ここにあらずな様子に胸を痛めた。
私は彼に隠し事はなかった。だけどそれでも、まだまだ知りたいと言った。
皆、一方通行だな……
私はおかしくなってしまった。
ソウタとの毎日は意外な事に、イチヤとの生活よりむしろ平和だった。
私は愛されていたし、彼を欺くような事はしていない。
彼はダンスで最高のパートナーで、夜も最高の相手。
そして、片思いの気持ちも共感できる相手になる。
報われていないわけじゃない。それなのに、足りない。