私の中の眠れるワタシ
−−−これに気付くきっかけは、小学生の頃。
転校した時、随分『いじめ』にあった。
でも、あの時の経験は、無駄ではなかった。
むしろ、あの時間がなければ、いつか躓いていたはずなのだ。
私は当時、男の子という味方がいれば、怖いものはないという勘違いをしていたから。
転校前の私は、普段から気に入った男の子を見つけては、ニコニコと笑顔で、無邪気に頼み事をして、叶えてくれた分だけ、こっそり特別扱いをしてあげていた。
男の子が、
「絶対に内緒だからな」
と言う回数分。
−−私は守られる。
私の心の中では、散々笑いのネタにした男の子であっても。
クラスの中では守ってあげているから。
意味ありげに微笑んであげると、男の子達は私の事を虐める者からすら、守ってくれた。