私の中の眠れるワタシ
接近
何から、どう進めていこう。
彼女に、谷田さんが好きだと告げた時。
このニセ秘密と引き換えに彼女の事をもっと聞き出すつもりだった。
私の秘密はまだまだ、たいしたものでも、ないのかな。
もう、考えているだけの私がつまらなく感じた。
少しずつでいいから。
セツナさんの時間を、私のものに。
そしてそのうち、セツナさん全て、ワタシのものに……
女性との、そういう時間。私には、想像できない。
逞しい想像力を養うために、一人でAVをレンタルに行く。
恥ずかしいとか、そんな感覚。
もう、忘れてた。
好きでもない男と、自分の欲しいもののためにホテルの入口をくぐる事と、どちらが恥ずかしいだろう。
自分の事は棚に上げて、私はそういう女を心底軽蔑していた。
女性と、手を繋ぐ。
たったこれだけで、どれだけの満足感を味わえるか。
私にしかわからない価値観かもしれないが、十分興奮できる要素になった。
私は、まじまじと自分の身体を鏡で見る。