私の中の眠れるワタシ

「セツナさん。今度おうちに泊まりに行ってもいいですか?」

私は、練習場でセツナさんの顔をみるなり、尋ねた。

「え?え?うち?……いいけど。今日なら。」

突然の展開に、胸が高鳴った。

「ホントですかー?!行きます、行きます!今日、練習の後に!!」

私は、ガキくさく喜んだ。いや、ガキくさく、というよりも。

今日一番食べたかった料理が、晩御飯で期せずして食卓に並んだような、そんな感情。

練習が始まってすぐに、ソウタにはセツナさんの家に泊まりに行く事をこっそり告げるが、もちろん

「ああ、行ってらっしゃい。俺、テキトーにやるわ」

と、疑い無く私に自由を与えた。



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