私の中の眠れるワタシ
「隠すって……。別に、何も。いやいや、ゴメン、この話やめよう。」
そういうセツナさんに、私は彼女が実は男性に興味がなくて、蜜が……と言いそびれているのではないかという気がした。
間違いなく、彼女は、私に好意を持ってくれている。
それでなければ、家に入れてくれるわけ、ない。
確信めいた気持ちが、私をつき動かしていく。
「セツナさん。今日、一緒に寝てもいいですか。」
セツナさんは、ホッとした顔をして、
「私の家、布団が一組しかないのー!!助かる!ま、もともと、そのつもりだったの、言わないでゴメンね」
と、カップラーメンの汁を台所に流しに行った。
しばらくはそのまま、彼女の過去の恋愛を聞いたりしてみた。
初めて付き合ったのは、中学時代。
だけど、とても人気がある人で噂になってすぐイジメられた事。
高校時代は、たくさんの人とお付き合いしてみたけど、結局本気にはなれなくて、どの人とも長く続かなかった事。
次々と明かされる過去に、私は全く違う部分もあるのに勝手に
『私と、似てる……』
と、喜んだ。