私の中の眠れるワタシ

一週間も、セツナさんは部活に来なかった。

セツナさんが来たと思ったら、今度は谷田さんが来なくなった。


「セツナさん。谷田さんどうしたんですか?」

ぼんやりして、視点の定まらない彼女は、

「ああ、谷田は病院。」

と答えた。私は驚き、

「なにかあったんですか?!」

と、慌てて聞く。
すると彼女は、

「一緒にお見舞い、行く?」

と言って、帰り支度を始めた。

部活はまだ終わっていなかったけど面会時間もあるし、私も帰り支度を始めた。


……何より、セツナさんが踊らないのに、居ても意味ない。


「ソウタ、ごめん。ちょっと今日早退させて。」

最近増えた、私の唐突なワガママに、ソウタは怒る気力も無くして、

「行けよ。」

と一言、呟いただけだった。



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