私の中の眠れるワタシ
セツナさんは、学校を出たら、すぐに近くのファミレスに入った。
「あの、お見舞いは……」
もちろん、彼女といられるなら、どこでも構わないが、見舞いに誘ってくれたのに、この展開は意外で、私はつい、聞いてしまった。
「行かない。その前に、話す事あるの。」
彼女は席に着いたばかりだったが、突然泣き出した。
私はア然とする。
私は、と彼女は話し出した。
「谷田と、付き合っているの。黙ってて、ごめんね。
どうしても、蜜の気持ちを聞いていたら、言い出せなかった。
それに……。谷田が私の事を他の人にどう言うのか、聞いてみたかった。」
私は、声がでない。
何をどう言えば、本当の事になるのか、もうわからなかった。
「蜜の気持ちを聞いて、騙してたわけじゃないよ?これだけは、信じて。
だけど、私、谷田を信じたかったし、すごく好きだから。それにね、蜜の事も、応援しなくちゃいけない気がして……」
どうしよう。私は何か言いたい。
なのに、言葉が見つからない。