私の中の眠れるワタシ
「蜜。谷田と、したでしょ。
私……嘘ついてたバチがあたったみたい。
わかってる。一回だけ、もう二度とない事わかってる。
だけど、それは……。
蜜にとっては、大切な一度きりの夜でさ、忘れて欲しくても、忘れられないよね?」
彼女はそういって、顔を手の平で覆った。
「それにね。谷田が恋人は部内にいないように話したって、あれ、どうしてかなって……。
私の事隠してたのは、ダンスのためじゃなくて、自分のためだったのかな……。」
−−違う、違うんです、ワタシ!
叫びだしてしまいそうだった。
だけど。
今までの、どこを訂正したらいい?
ワタシはただ、セツナさんの一番になりたかっただけ。
そして、セツナさんは谷田さんが一番で……
だけど、ワタシが谷田さんを誘惑した?
してない。好きじゃなかったし何も、得してない。
−−何が、本当だったの?