私の中の眠れるワタシ
3章 彼と、ワタシと、僕。
−−−私は、どんなにたくさんのワタシになっても。
一つの心と身体から生まれました。
愛がまた、新しい私をつくり、
嘘が、私を壊して
芽生えたもの全て失っても、
私は、ワタシを守りたかった。
常に誰かを許せないワタシを許したいのです。
誰にも、本当の事がわからなくても
たしかに、あの日
二人は選んであの道を行きました。
あの想いに従って、真っすぐに。
けれど、気付くのです。
二人で歩きだす事は、
二人きりではないことに。
繋ぐ手があっても、
先に見えるものが変わる事。
それは、気付かずに通り過ぎる事も、できたのに。