私の中の眠れるワタシ
私は悔しいけど、ソウタからオートリードをもらってから、男性にフレグランスをプレゼントしてもらう事が習慣になってしまった。
クリスマス、誕生日、記念日と、何か欲しいものがないかと聞かれたら、迷わず
「あなたが私のイメージに合うと思って選んでくれる、フレグランスがいいな。」
と、答えた。
そして、苦心して選ぶ後ろ姿。
それを想像しては、彼をまた一段と愛しい気持ちにさせる。
おもしろい事に、誰も被らない。
開ける度に、新しい香りに胸がときめいた。
彼達は皆、私がフレグランス店で働いている事に気を遣って、お店に置いている香りではないものを探してきた。
私の働く売場を見渡し、
「売上に貢献しようか?」
と、聞かれるたび。
いいと断ってきたから……
仕方なく一人で勇気を奮いしぼり、化粧品メーカーを訪れるようだった。
そう。その気持ちが、欲しい。