私の中の眠れるワタシ

宿命




私は毎日、本部での内勤になった。

店舗をまわって運営方法をアドバイスしたり、社内で一括して行われる新人研修の担当をした。

この新しい仕事が好きだったし、自分が持つスキルを真っさらな新人達に与えていく事が、自分の『分身』を増やしていくようで、楽しかった。

私がアロマテラピーを独学で学んでいたことから、社内でも商品の取り扱いを検討していた。

そこで私が、実験的に会社からアロマテラピーの社外研修に参加するよう命じられる。


建前として、きちんと研修を受けたものが教育を担当する必要があった。

しかし、その研修は私の知っている事とそれほど差はなく、自分が今までいかに趣味の範疇を抜け、突き詰めていたかを知った。


社外研修には、いろいろなところから、いろいろな職業の人が集まっていた。

ハタチそこそこに見える子から、主婦や男性、年配の方もいた。

男性がアロマテラピーの講習を受けている事に、私個人の勝手な違和感があったが、私は自分の学習に専念するようにした。



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