私の中の眠れるワタシ
私は、体調が悪く家から出歩くのが億劫だった。
仕事も、這っていくのがやっとだったし、式場に行く約束も、何度も時間を変更してもらいつつ、足を運んだ。
家具選びまで、外に選びに行く余裕がなかった。
私は通販のカタログで、彼と選ぼうと思う。
「アキ、ソファはどういうのがいい?」
彼はなんでもいいなんて、寂しい事は絶対言わなかった。
「うんとね……うーんと」
カタログに目を通し始める。
私は、タバコはとっくにやめていたけど、口さみしくなり飴の包み紙を開ける。
「これ、かわいいじゃん!」
指をさしたのは、真っ白なラブソファだった。
−−いつか、二人でこんな家具を置いて住みたいね!
そんな言葉をふと、思い出した。