私の中の眠れるワタシ
大学生時代にイチヤがあの日、思い描いていた生活のまっただ中に今。
私は、いる。
それを、なんとなく不思議な感覚で思った。
−−夢に思っていた事の、真っ只中にいると、人は案外気付かないものだ。
もしかして、今まで叶っていたけどその時にはその価値も知らず、通り過ぎてきたのかも、しれない。
私はこの時が、自分の半生をもう一度、見つめ直したいなぁと、ぼんやり考え始めるきっかけになる。
「ね、このソファ、これから赤ちゃんが産まれたら汚れちゃうよ??色違いのこっちにしようよ。」
私は、ブラウンの方を指差した。