私の中の眠れるワタシ
「帰れないのは、困ります。式の準備もまだ全部終わってません。」
私は、極力痛みがばれないように、おとなしく言った。
「残念だけど、結婚式も取りやめた方が無難だと思いますよ。正直、あんまりそんな悠長な事言ってる状態じゃ、ありませんね。」
助産婦がそう言うと、私は先生ならとそちらを見たが、黙って頷いた。
「……しかたないよ、蜜、これじゃ……」
シカタナクナイ。
この日のために、どれだけ頑張ってきたことか。
「いいえ、やります。やめるなんて……できません。……もう、あさってなんですから」
アキヒロは先生に家へ帰され、入院の準備をするよう指示された。
私はただ、朦朧としてきて、処置室から病室に移された事も、翌朝目が覚めて知った。