私の中の眠れるワタシ

どうでもいいような紙の裏に綴られていく、もう一人の『ワタシ』。

私はずっと両親二人を憎み、そして愛してきたのだ。



「母になる途中で、思います。夫婦は二人であって一つの存在、そしてやはり別々の役割を担うのだと。
私は、アキヒロさんと幸せになります。
今まで、育ててくれて。生んでくれてありがとう。」


『産む』という行為が、どんなものかまだ私にはわからない。



だけど。

確実にそれまでの約『十ヶ月』は等しく親になる皆に存在し、私と同じように。

悩み、
戸惑い、
慈しみ過ごした

両親がまだ、親になる前の

『二人きりの時間』

を想った。




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