私の中の眠れるワタシ

夫婦




その夜、先生から

「病院からまっすぐ式場に向かい、終わり次第また病院に戻ってくる事」

という条件つきで、結婚式に出られる事になった。

お腹の張り止めの点滴は、二十四時間連続して使わなくてはならないが、式の間は投薬でそれを補う。

「絶対に、決められた時間から一時間でも遅れないようにこの薬飲んでくださいよ??」

私はその薬に、手足の震えを感じたり、動悸がしたりしたから、式の間こんなものを飲んで大丈夫か不安になった。


背に腹は変えられない。

それでも式に出席が可能になったわけだから。


完成した手紙を、カバンに入れて、結婚式の朝病院を後にした。


式場につくと、着付け室に向かう。
自分の支度が終わったら、親族控え室に顔をだした。

アキヒコの母は、おにぎりをこれでもかという程握って持ってきてくれて、私に体力勝負だから食べなさい、食べなさいと勧めてくれた。

私は、新しくできる、このもう一人の母が、好きだ。



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