私の中の眠れるワタシ

たくさんの友人が足を運んでくれ、余興をし、写真を撮って、私の主役気分を盛り上げた。

余興は、弟の真也にも頼んだ。

私がお色直しに向かっている間を受け持ってもらう。


どういった内容の余興を繰り広げたのか私はリアルタイムで見る事はできなかったが、友達が口々に

「蜜の弟って、すごいネーチャン思いだねぇ!」

と、声をかけてくれた事から、また改めて『そうだったんだ』と、気付く。


両親への手紙を読む時は、私の心をさらすようで内心抵抗はあったけど。

これは私が両親を許す、自分の為の『儀式』である事に、読みながらわかっていく。



−−父と母に、どんな事があったか、私は知らない。

だけど、二人がここに並んで立つ事そのものが。

運命であり奇跡でもあったと、今はわかる。

あの頃の……

アザだらけになりうずくまる母も。

それをさらに殴りつける父も。


私には、許されたいと願う両親の気持ちが、ひしひしと感じられた。


< 356 / 433 >

この作品をシェア

pagetop