私の中の眠れるワタシ
「あんた、ちゃんとアキちゃんの事、かわいがっているの?」
また今日も訪ねてきた母に言われた。
「……??……かわいがってるって?私は圭太郎もアキも、カワイイよぉ!」
本当の意味を、わからないフリしてみせる。
「まだ、アキちゃん若いんだし、大切にしてあげないとね……。
アンタ、夢中になると、それ以外の事、気にしなくなっちゃうからね。」
どういう意味か、わかってはいた。
たしかに私は、昔のようにフレグランス選びに時間を割いたり、アキをアロマオイルでマッサージしてあげたり……。
そんな二人だけの時の生活とは、一変していた。
家の中には、大量の紙おむつ、ラブソファは移動されそこには、ベビーベットが置かれ。
育児書ばかり読み、電卓を叩き、お金の計算ばかりに明け暮れる日々。
母は常に出入りし、私は助かっていたから、何も不満はない。
むしろ彼の帰宅が遅い事を願った。
彼は、話を聞いてあげないと、不機嫌になる日があって……
正直、面倒だった。