私の中の眠れるワタシ
私は、ふともう一人のワタシを感じた。
なんでだろう……、なんか、コイツに腹がたつ……。
圭太郎の事は心配していたし、ありがたいけど。
ワタシは朝、圭太郎を託児所に置き、玄関を出るとき。
遠くから圭太郎の泣き声を聞いて立ち止まる自分を思い出す。
−−ドウシテワタシ、ハタラクノ……
ケイタロウノコトハ、ワタシノホウガ、ワカッテル……
ナゼワタシヲ、アノトキモット、トメナカッタノ……
ワタシノホウガ、ソバニイルベキナノニ……
彼を、憎みたくはなかった。
彼の夢が叶うように応援するつもりで、私は働きたいと思ったし、こうなる事、覚悟していた。
だけど、どうしても……
以前と同じように圭太郎を抱くことが、ためらわれた。
−−ワタシ、トテモ香水臭イカラ。