私の中の眠れるワタシ

それにしても。

いつまでこの生活は続くのか。

私は途方にくれた。


彼は子育てにかかりきりで、もうアロマテラピーについて勉強しているそぶりもない。

逆に私は毎晩、毎月のように発表される新作のフレグランスで、追い付かない。



「蜜。香水クサイよ。少し控えてくれないか?」

彼の一言で、傷つくどころかキレてしまう。


「それ、どういう意味よ!あんた、なんのおかげでご飯食べれるのよ?このクサイ香水のおかげでしょうが!!」


彼の忠告にはそんなに深い意味はなくて、子供の為にも強い香りは控えてほしい。

そういう意味だったのは、わかっていた。

だけど、それでも。


私は、自分が結婚している事も忘れ、遊んでいるかの様に言われた気がして、彼に口を返した。



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