私の中の眠れるワタシ

アキは男がいるんだろう?と言った。

「いたって、いなくたって、関係ない。別れたいだけだから。」

ワタシは早く逃げたかった。

アキから逃げれば、全て終わるんだろうと。


そして、ワタシはもう一度家庭に入り、圭太郎を独占できる生活が始まって、ハッピーエンドだと。

いつだったか、

−−ケッコンって難しいなぁ。

と呟いた私ヲ忘レテ。


そして、彼との離婚は、成立する。

条件として、圭太郎を譲らないということを出されて。

ワタシは彼に何故だと詰め寄ったけど、

「……おまえが一番知っているだろ。
圭太郎が熱を出した夜にも、連絡しても帰って来なかったんじゃないか。
そんな奴に、こどもを絶対に渡さない。
圭太郎より、その時選んでいた<用事>をとれよ。」



そう静かに言われて、

ワタシは。




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