私の中の眠れるワタシ

−−戦えなかった。

本当は、ワタシが一番。

悪い気も、してたんだ。 少しダケ、キヅイテタ。


家族をホントに愛していた彼を一人にするなんて、できなくて。

最後の最後に気付く。



ワタシの『宝物』を託してしまうほど、彼の事を愛していたと。

静かに泣き続けるワタシの膝から。
圭太郎がアキの膝に行きたがった。



それでももう、振り向かない。
その腕を、手繰りよせない。

この道は、一方通行。

戻らない。

戻りたくないのだから。




−ウラギッタワタシヲ、カレニモウイチドササゲルナンテ、シツレイ。

ヨゴレテル、ヨゴレテル。


ワタシは、私にそう告げたのだから。




< 392 / 433 >

この作品をシェア

pagetop