私の中の眠れるワタシ
−−戦えなかった。
本当は、ワタシが一番。
悪い気も、してたんだ。 少しダケ、キヅイテタ。
家族をホントに愛していた彼を一人にするなんて、できなくて。
最後の最後に気付く。
ワタシの『宝物』を託してしまうほど、彼の事を愛していたと。
静かに泣き続けるワタシの膝から。
圭太郎がアキの膝に行きたがった。
それでももう、振り向かない。
その腕を、手繰りよせない。
この道は、一方通行。
戻らない。
戻りたくないのだから。
−ウラギッタワタシヲ、カレニモウイチドササゲルナンテ、シツレイ。
ヨゴレテル、ヨゴレテル。
ワタシは、私にそう告げたのだから。