私の中の眠れるワタシ
私の鼓膜に直接響くような、成績に対する感嘆のため息や、お世辞、ちっぽけな妬み、羨望。
どれとも、全く違う。
この気持ちだけで、ある程度の苦痛は乗り越えられる。
私に相応しい『居場所』を見つけた。
−−−確信した。
私は、「十四歳」だ。
仮に同級生を好きになって、その後もし両思いになって。
……それからは……?
想像すると、全く退屈だったのだ。
まずは、一緒に帰ったりするだろう。
理由は、皆がそうしているからだ。
それから、公園に行ったり、花火をみたり、お祭りに行ったりするだろう。
……これも、皆そうしているから。
でも、どれも十四歳が二人きりじゃなくてもいいことばかりのように思う。
二人きりにならなければいけない、その必要性はなにか?
オトコの身体を知っていてアタリマエ、その基準を自分の中に設けるため。
ああ、結局本能的な興味や、欲望、好奇心、そういう類のものを満たし合うためだろう。
私の身体にも、触れられた事がない部分は、確かに存在する。
そこに、自分ではない誰かが触れる時、どんな心の化学反応が起こるかなんて、想像もつかない。
そう、あの日ふいに、心を先生に触れられてから起こってしまった変化のように……
あんな風に身体も探し合えるなら。
−−−いいものかもしれない。
でも中学生同士でそんな理想を叶えられるはずが、ない。
それよりもずっと、私の想いの方が性的な気がした。