私の中の眠れるワタシ


毎日、圭太郎を思い出す歌を聴いている事は、ひどく彼を傷つけていたかもしれないけど。


−−−圭太郎は、いない事にしたい。
そうする事で楽になれるワタシと。

−−−いない事にするなんて。
母親として最低だと責める私がいた。

日々の、葛藤。
ワタシたちの。


もう、どちらの私もハヤオには、関係のない私だ。


なのに。

どの私とも、付き合おうとする。

−−見ツケナイデ、ミツカリタクナイ。

−−探サナイデ、ワタシハ、ヒトリ。



毎日、部屋のアカリを消してから。

彼とワタシ。
やっと本当にフタリキリになれる。

……ワタシから溢れる『蜜』を盗みに指を這わせる彼と。

彼を、ワタシの生涯寄り添う相手に決めたワタシ。


ときたま、する、たわいもないケンカ。


ワタシは、

ケンカしたら、

彼から、ハナレタ。




< 413 / 433 >

この作品をシェア

pagetop