私の中の眠れるワタシ

私は母にだけ連絡をする。
もちろん、喜んでくれるわけは、ないかもしれない。

だけど、賭けてみたかった。

今お腹にいる、『二人目の結芽』も、圭太郎の時と同じように祝福されて、生まれてほしい。

いつかハヤオに知られる時がきて、二人の仲に陰りがみえるとしても。

私は。
結芽を無くす事はできなかった。



母は、私の報告に喜んでくれた。
それを願っていたのに、現実となると途端に涙がでた。


「ハヤオさんの子だから、間野の苗字で画数のいい名前、探さなくちゃね!」

「……うん。」

あまりに小さく、か弱いこの命に。

今はまだ誰も何もしてあげられない。

母は、名前を考えるという『未来』にむかった作業をする中で、この子の誕生を心待ちにしていてくれる事を、痛いほど感じた。

『間野』という苗字で……。




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