私の中の眠れるワタシ

ナゾ




私は、妊娠による倦怠感とあいまって、毎日ゴロゴロと家にいた。

外に出たい気がしない。

人の声が、どれも耳障りなのだ。

とくに、子供。

見るだけで、捕まえてさらいたくなった。

自分も、妊娠しているというのに。

『ただ、普通の夫婦の間に普通のセックスをして、普通に生まれた子供。』

その事が、ワタシにこれほどまで劣等感を与えている事に、むかつく。


とにかく、大きな秘密をお腹に抱えて暮らす毎日は、私の神経をすりへらした。

それでも、ハヤオには言えない。

なんで、言えないのだろう。

ソレハ、彼ニ、知ラレナクテモイイ、ワタシダカラ。

とにかく、そう。

結芽も、私にとってもう一人のワタシ。



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