私の中の眠れるワタシ
−−ある日急に、母が来た。
たしかに、毎日家でゴロゴロしてるとは言ったけど、突然だった。
私は、嬉しくてつい、玄関を開けてしまった。
その後の事も、考えないで。
ハヤオも、うちにいた。
今日はたまたま休みだった。
突然の、しかも思いもよらぬ来訪者に慌てた。
ガサガサと、私が散らかしていた雑誌を片付けるハヤオは。
母と目も合わせられないまま。
「お、お母さん……」
彼がそう呼ぶ事に戸惑いがあるのは、もちろんだった。
だけど母は、当たり前のように、
「これから、なんでも困った事があれば私に言ってね。いつでも、飛んでくるから。
赤ちゃん、生まれてからも、私手伝いにきてあげるからね!」
と、ハヤオの肩をたたいた。