私の中の眠れるワタシ

美月




−−−夏。

中体連で、三年生は卒部する。その後の部活は、私の卒業までの居心地が良い最高の『ベッド』にしたかった。

私は、暑い太陽の熱に身も心も溶かしきるかのように、練習に没頭した。

それを理由に……いや、本当はただ、なんとなく教室内の、自分のペースを乱さすきっかけになった、あの自習ノートが疎ましくなり、提出を止めた。



「最近、ノート出さないな。継続は力なり。テニスと一緒だぞ。」

相田先生の言葉に、曖昧に笑い、まだ提出を続けている数名分のノートを職員室のデスクに置くと、私は逃げるように職員室を後にした。


それから、しばらくは先生とも部活のやりとりだけにしていた。
惜しまれつつ三年生は引退し、私は部長になり、秋がきて……


そんな時に、あの『月光』と共に、私の知らない先生に出会ったのだ。



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